志摩市磯部町の恵利原地区に古くから伝わる伝統芸能の一つ「恵利原早餅つき」が新年早々、引っ張りだことなっている。
「地つき唄」を歌いながら、1本の杵(きね)を2人で息を合わせ取り合ってつく恵利原早餅つきは、同地区で天保年間(1830~1843年)から伝わるとされている伝統芸能。現在は同保存会(志摩市磯部町恵利原、TEL 0599-55-2255)によって守られ、継承されている。
元旦には、新年の恒例行事として同地区の鸚鵡岩(おうむいわ)山頂で約300人につきたての餅を振舞った。2日には志摩観光ホテル(阿児町神明)が宿泊者へのサービスとして同ホテルからの依頼で、出張餅つきを行った。
英虞湾の見える同ホテルの庭に準備された臼(うす)に、蒸しあがった餅米が入れられると同保存会女性メンバーらが囃子(はやし)唄に合わせて最初はゆっくりとしたテンポで手拍子を取る。それに合わせて杵が上下運動を繰り返す。ある程度つきあがると宿泊客らに参加を呼びかけ一緒に餅をついていく。再び保存会メンバーの手に杵が渡ると手拍子が早くなり、杵の上下運動は1分間に140回以上をつくスピードになり、会場が歓喜に沸く。つき終った餅は、女性メンバーの手ですぐに丸められ、志摩市特産のあおさノリとキナコをまぶして出来上がる。
同ホテルに毎年宿泊し正月を過ごすという東京都在住の高村洋一さんは「とてもおいしい。毎年この早餅つきを楽しみにしている(笑)」と感想を漏らした。
同保存会は、8日におかげ横丁(伊勢市宇治中之切町)で、21日には近鉄と志摩市のコラボ企画「志摩ってこーね列車 新春『開運』三重の酒 利き酒列車」の催しの一つとして早餅つきを披露する。
伊勢志摩経済新聞引用>>
http://iseshima.keizai.biz/headline/1290/
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