伊勢神宮(伊勢市)の式年遷宮で、市民が白石を運び新社殿の周囲に敷くお白石持(しらいしもち)行事は二十八日、白石を積んだ奉曳(ほうえい)車で陸路を進む陸曳(おかびき)が始まった。
古市町と宇治浦田一の市内二カ所を出発点に、地元奉献団十団が、参拝者であふれるおはらい町を通って内宮の宇治橋前を目指した。
古市町から江戸時代の参宮街道を通る内宮までの二・七キロを引く船江神習組。
市中心部の住民約六千人が参加し、全七十七奉献団で最大級の団となった。
奉曳車も高さ三・五メートル、長さ七・一メートル、車輪の直径一・五メートルとひときわ大きい。
参加者が左右両側の綱を握り、木やりや掛け声を上げて威勢良く車を引っ張ると、車輪からは「ワン鳴り」と呼ばれるほら貝を吹くような「ブオーン」という音が響いた。
道中の牛谷坂と呼ばれる緩やかな下り坂では、車の後ろからも綱を引っ張って速度を調節しながら一気に降り、参加者から大きな拍手が湧き上がった。
団長の西田正さん(53)は「二十年待ち続けてきたこと。
人数の多い団ながらも一人一人が無事に石を納めることができて満足です」と話していた。
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