小サバなどの小魚をいぶして薫製にする「あぶり」作りが、尾鷲市梶賀町で始まり、香ばしい煙が漁師町に漂っている。
小サバのあぶり作りは6月末ごろまで続き、夏以降はイサキやアジのあぶりを作る。
あぶりは同町に伝わる郷土料理。
頭と内臓を取り除いて塩をふった小サバやイサキなどの小魚を、長さ三十センチの竹ぐしに刺し、サクラの木を燃やした煙で一時間半ほどいぶして作る。
独特の香りと塩味の効いた濃厚な味で、尾びれまでまるごと食べられる。
今年は東紀州の各漁港で小サバの水揚げが少なく、作業は例年よりも一カ月遅い今月上旬からようやく始まった。
二十年以上作り続けている浜中倫代さん(71)ら地元の女性三人が、早朝から同町梶賀漁港近くで作業に励んでいる。
体長一〇センチの小サバの身をくしに刺して網台に並べ、焦げ目や火加減に気を配りながら次々と器用に裏返していった。
浜中さんは「今年は小サバが少なめですが、ほどよい大きさで味も最高です」と話している。
小サバは一くし(約二十匹)二百五十円。
問い合わせは
浜中さん=電0597(27)2534=へ。
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